この内容はPodcastで話した内容です。
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みなさん、こんにちは。あかねです。
突然ですが、みなさんにとって日本語の先生はどんなイメージですか?
私は2017年から日本語学校で日本語を教えています。
前の仕事を辞めて日本語の先生になりたいと友達や知り合いに話した時に、どんなことを言われたと思いますか?
これは今でもときどき言われることですが、「日本人ならだれでもできる仕事だね」と言われます。これは多くの日本語の先生が言われたことがあると思います。
このとき、私はがっかりします。日本語が話せることと日本語を教えられる能力は全然ちがいます。誤解なんです。
「誤解」というのは「まちがった理解をする」という意味です。
ずっと前に、「日本語を教えるなんて誰でもできるじゃん!そんな簡単な仕事してるの?」と言われたので、「じゃあ、人口が増えてきた と 増えていくのちがいを説明してみてください」とか「私は田中ですと私が田中ですのちがいを説明してみてください」と言ったら、その人は全然答えられませんでした(笑)
日本人でも日本語を教えた経験がない人なら、この質問にすぐ答えられる人は少ないと思います。
これは日本語教師になる前の私も同じでした。この2つの文がちがうことを意味しているのは日本語のネイティブスピーカーならわかるんです。
「てくる」と「ていく」の文法を正しく使うこともできます。でもどんな違いがあるか、難しい言葉を使わないで説明するのは、ネイティブスピーカーにとってとても難しいんです。
だから私も日本語の先生になったばかりのときは本当に大変でした。
例えば「先生、ご覧になると拝見するのちがいはなんですか?」と聞かれたとき「尊敬語と謙譲語の違いですよ」と答えました。
でもその次に「先生、尊敬語と謙譲語はなんですか?」と聞かれました。
そして「尊敬語は上の人に対して尊敬の気持ちを込めて使います」と言ったら、「先生、対してと気持ちをこめるはなんですか?尊敬はなんですか?」と聞かれました。これは私が大失敗したときの話しです。
日本語の先生になってまだ1週間くらいのとき?初級クラスを教えたときだったかな?
学生のレベルによって話し方や説明のしかたを変える必要があるんですが、私はまだそのクラスのレベルをあまり知らなかったので、こんなわかりにくい説明をしてしまいました。
日本では小学5年生か6年生で尊敬語や謙譲語を勉強します。でも尊敬語や謙譲語がない言語もありますよね。だから尊敬語や謙譲語にはどんなちがいがあるのか、いつどんなときに使う必要があるのか、きちんと説明しなければなりません。
しかも日本の日本語学校は、ほとんど日本語を使って説明するので、難しい日本語を使わないで説明するのは簡単なことじゃありません。
だからこそ「日本人なら誰でもできる」と言われると、すごくいやな気持ちになります。
みなさんは、自分の母語を教えたことがありますか?
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☆漢字の読み方
誤解:ごかい
尊敬語:そんけいご
謙譲語:けんじょうご
気持ちを込める:きもちをこめる
母語:ぼご