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察する文化

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日本語の聴解のためのPodcast

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みなさん、こんにちは。あかね的日本語教室のあかねです。

みなさんは日本人とコミュニケーションするときに、いいのかだめなのかわからないときがありませんか?

「だめです」とか「いやです」とはっきり言わない人が多いから、本当はどう思っているのかわからないときもあると思います。

そして「相手を傷つけたくない」という理由ではっきり言わない人が多いように感じます。

私や私の周りの人は「察してほしい」という表現をよく使います。

「察する」というのは、直接言わなくても相手が思っていることを推測する、予想する、という意味です。

こういう話をすると日本人全員がそうだと思う人がいますが、私が話していることは全部私の個人的な考えや私の周りの人のことや私の経験から話しています。

この「察する文化」は外国では通用(つうよう)しないことが多いし、私は何度も失敗しました。

これはPatreonのライブ配信で話したことですが、こういうテーマを聞きたいという人が多かったので、今回Podcastでも私の失敗談をシェアしたいと思います。

以前、日本語を勉強している人から「あかね先生の好きな内容だと思うから、私が書いた原稿をメールで送りたい」というDMがきました。

私はそのとき仕事が忙しくて読む余裕(よゆう)がありませんでした。

そしてその人に「今ちょっと忙しくて、いつ読めるかわかりません。それでもいいなら送ってください」と返信しました。

私がどういう気持ちでこのように書いたのかわかりますか?

「もし送ってくれても読むことができないから送らないでいいです」という意味で私は書きました。「送らないでください」と書くのはちょっと失礼だと思います。だから「忙しくていつ読めるかわからない」と書きました。

その結果その人から原稿が送られてきて少しびっくりしました。

私が曖昧(あいまい)な表現を使ったせいで伝わりませんでした。

これは100%私が悪いです。

その人は私が日本語学校やオンラインで授業をしたり、YouTubeやPodcastなどを配信していることを知っています。だから仕事がとても忙しくて時間の余裕がないと言わなくても、察してくれると思ってたんです。

でもその人はそのあとも何度も何度もプライベートのDMを送ってきました。

1番長いメッセージは50行(ぎょう)以上の内容でした。

私は去年も同じことがあって精神的な軽い病気になったので、怖くて全部読んでいませんが、たぶんいい内容でした。

私が今回みなさんに伝えたいのは、たとえどんなにいい内容でも、読む人の気持ちを察するのはとても大事だということです。

自分の気持ちを長々と書いて満足できるかもしれないけど、読む人にとっては時間がかかるしとても大変です。

特に私は日本語を教える立場なので、日本語学習者が書いた文章をみたら、この表現は不自然だな〜と考えながら読みます。だからすごく時間がかかるし、メッセージを読んだり返信したりするサービスは私のオンラインレッスンやPatreonにはありません。

学校の授業で学生が書いた作文や論文を読むのとは別の話です。

今まで忙しいのを察してほしいと思って、「こんな長いメッセージを何度も送られるのは迷惑だ」とはっきり言いませんでした。

私はその人が悪いとは思っていません。それぞれの国の文化や習慣、考え方はちがいますよね。

この前自分の気持ちをその人にはっきり伝えました。そして理解してもらえたのでとてもよかったです。

これは国や言語とは関係ありません。

ほとんどの生徒さんやPatreonのメンバーは私が忙しいのを知っているので、重要なこと以外でDMを送ってくる人はほとんどいません。

そして日本人同士でも、日本語のネイティブスピーカー同士(どうし)でもコミュニケーションがうまくいかないことはたくさんあります。

私も友達の気持ちを察することができなくて、迷惑をかけたこともあります。

今回は私もとても勉強になりました。

みなさんはこれを聞いてどう思いましたか?

みなさんがもし私と同じ立場ならどのように対応しますか?

☆漢字の読み方

察する:さっする

推測:すいそく

原稿:げんこう

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