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みなさん、こんにちは。あかね的日本語教室のあかねです。
今日は私の思い出話をしたいと思います。
私が通っていた高校は家から少し遠い場所にありました。
30分電車に乗ったあと、さらに10分くらいバスに乗らなければなりませんでした。
そのバスはスクールバスで、学年によって乗る時間が決められていました。
例えば1年生は7:30、2年生は7:40、3年生は7:50のように時間が決まっていました。1年生が2年生のバスの時間に乗れないわけではありませんでしたが、やっぱり先輩と乗るのはちょっと緊張すると思います。
こんなルールがある学校は珍しいかもしれません。
私が通っていた学校は学生数が多かったので、たぶんこんなルールがあったんだと思います。
私はスクールバスの運転手のおじさんがとても好きでした。
そのおじさんはバスに乗る学生の名前をほとんど覚えていて、私が乗る時も「あかねさん、今日は寒いね」とか「今日は佐藤君(さとうくん) がバスに乗ってなかったけど、休み?」とか、私だけじゃなくて、いろんな学生のことを気にしてくれる人でした。
卒業するすこし前、私はバスのおじさんにお礼の手紙を書きました。
そしてバスのおじさんも私に手紙をくれました。
その手紙には「あかねさん、夢をかなえてください」と書いてありました。
私はその手紙をみて、ちょっと困(こま)りました。
私は高校生のときに夢が全然ありませんでした。高校生のときだけじゃなくて、子供のころからずっと、夢がありませんでした。
将来どんな仕事をしたいとか、何かを達成したいとか、そう思うことがほとんどありませんでした。
だから大学生になって就活をするときに本当に困りました。
お金を稼いで自分で生活することができれば、そしてちゃんと休みがある仕事なら、どんな会社でもよかったんです。
でも普通の社会人として何年か働いたあと、日本語教師になりたいという夢ができました。
それは私の人生で初めて本気でやってみたいと思う仕事でした。
そして会社を辞めて大学院生になったとき、偶然バスのおじさんの手紙を見つけました。
その手紙をしばらく読んでいなかったので、久しぶりにその手紙を読んで、やっと自分の夢ができたんだとうれしくなりました。
バスのおじさんは、いつか私にも夢ができるとわかっていたのかもしれません。
今「夢がない」「やりたいことがない」と思っている人も多いと思います。
私もそうでした。私も同じでした。
でもどんなに年をとっても、私のように夢をもつ日がいつかくるかもしれません。
私は自分の夢のために会社を辞めることができたのは、それが自分にとって初めての夢で、自分の気持ちを大切にしたいと思ったからです。
もちろん不安はありました。
でも失敗しても、また前のような仕事をすればいいと思いました。
どうしてかというと私にとって日本語を教える仕事は初めてだから、うまくいかなくて当然だし自分に合うかどうかはやってみないとわからないと思ったからです。
そして今、私はこの仕事をずっと続けたいと思っています。
みなさんも忘れられない大切な手紙がありますか?
☆漢字のよみかた
先輩:せんぱい
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